MLBでは、年俸抑制の取り組みと戦力均等化の考え方を前提として、
システムを1996年から変えながら、
34%の課税額を全チームに均等分配する制度や
収入の高いチームに課税して、一定の規則のもと収入の低いチームに再分配するという制度を行っているそうです。
さらに、労使協定により決めた年俸総額を超えた回数によって定められた税額を支払い、
選手の福利厚生財源等にする「課徴金制度」(ぜいたく税)が導入されています。
これら年俸抑制策を導入することが、ボイコット騒動につながった経緯があるので、
課徴金が、福利厚生費につながっているのはうまい制度だなと思いました。
今シーズン、「課徴金」が課せられるの基準額は、$206M。
日本円で206億円というところでしょうか。
NPBの年俸総額に目を移すと、
ソフトバンクが55億円
巨人が51億円
阪神が34億円
最下位の中日が23億円となっている状況です。
ソフトバンクと巨人の2チームだけが50億円台。
後は30億円台は3チーム。20億円台が残りの7チームです。
選手のための予算が、ある程度、順位につながっている状況があると思います。
チーム間の予算格差が2倍程度あると、予算が少ない環境にあるチームが、優勝争いに持ち込める年度はかなり少なくなるでしょうか。
前述の年俸抑制策を行ったことで、MLBでは2001年からワールドシリーズ連覇が無くなっています。
今後、ソフトバンクの連覇が続くと、NPBでも同じような戦力均衡策が叫ばれるようになるかもしれません。
ただし、NPB予算はMLBのそれよりもはるかに低く、市場を大きくすることがまずやるべき至上命題なのかもしれません。
抑制策をとってばかりでは、選手の流出だけが目立つつまらないリーグになりかねないからです。